リフォームの基礎知識

「リフォーム」とは英語の「Reform」を語源とする外来語ですが、当初は洋服の修繕などで使われていた言葉でした。昭和の後期になって住宅の増改築・修理修繕に対しても「リフォーム」という言葉が一般的に使われるようになりました。最近では「リモデル」「リニューアル」「リノベーション」などという言葉も使われていますが、正確な使い分けができているわけではありません。また、住宅の維持管理に重点を置いた場合には「メンテナンス」という言葉が使われます。
 リフォームの大まかな分類としては「新築時の性能への回復」を目指した①メンテナンス・修繕・設備更新型リフォーム、「新築時以上の住宅性能へ改良」するための②性能向上型リフォーム、「住まい手のニーズの変化に合わせた更新・生活改善」を目指した③模様替え・増改築などのリフォームに分けることができます。
 もちろん上に掲げた三つの分類が明確に区分されているわけではなく、いざ工事が始まってしまいますと重複する部分もあるのですが、予算や工期に限りのある場合は当初の目的をはっきりさせておかないといろいろ目移りをしてしまい、本末転倒な結果を招くことにもなりかねませんのでご注意ください。三つの分類の具体例を内容別に書きますと

1.メンテナンス・修繕・設備更新型リフォーム

メンテナンス : 点検、キズ・汚れ、雨漏りなどの修理
修繕 : 主要構造部の修繕(シロアリ被害など)、屋根・外壁の張替・塗装など
設備更新 : キッチン・浴室・トイレなどの設備の更新、給湯器などの更新

2.性能向上型リフォーム

耐震性能、省エネ性能、バリアフリー性能、防犯性能など、新築時より求められる性能水準が上がってきたものの性模様替え・増改築などのリフォーム

3.模様替え・増改築など

間取り変更、インテリアの改善、家族の成長・独立などに伴う増築・改築・減築(最近は大きな家を持て余す小家族のための減築という手法も行われています)
というような内容となっています。また、リフォームは木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造というような構造は問いませんし、一戸建ての住宅だけでなくマンションや賃貸物件などでもそれぞれの持つ制約の中で行われていますことは言うまでもありません。

(記事提供元)
有限会社 高橋工務店
高 橋 達 平
一級建築士
増改築相談員

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