住宅リフォーム価格を超えた価値が生まれる:リノベーション事例紹介

実家の敷地内にあった「農舎」をリノベーションしてマイホームを手に入れたOさん宅。初めのうちはご実家そのものを増築して二世帯住宅にしようと考えていたそうです。どのような経緯で?住み心地は?ご家族に伺いました。

Q1.どのような経緯でこの物件に出会いましたか?


この家はもともと、農機具や収穫したお米を保存する倉庫でした。しかし、実家の父が専業の米農家をやめて農機具を手放したため、次は住居として使っていこうと家族で決めました。築30年程の倉庫でしたが、大切な米や農機具の保管のため新潟の厳しい気候にも耐えられるよう、しっかりと造られていると、施工業者から太鼓判を押してもらいました。

マイホームについて考え始めた時、最初は実家に入ろうと考えていました。古い箇所を一部直しつつ増築して二世帯住宅にするつもりだったのです。しかし予算的に厳しいと知り、元からある建物(倉庫)を上手く活用して良い家づくりをしようと、動き出しました。

Q2.リノベーションに不安に感じたことはありましたか?


既存の建物を直すとなると、土台の形や間取りなど空間を考える際に制約が生まれるであろうことは、施工が始まる前から考えていました。もう一つは、金銭面です。リノベーションは、新築よりは安くなるかもしれないけれど、払った金額に見合う仕上がりが得られるのか、と不安に思ったことがあります。耐震性も気になりました。

しかし、設計士の人を信じて打ち合わせしていくうちに不安は消えていきました。構造上無理があれば、しっかり「ダメ」と言ってもらえたり、リビングの位置や対面キッチンについては、スペースが狭くなるとかなり反対されたり、そうやって実直に向き合ってもらったことで安心感が増していきました。

Q3.リノベーションを選択して良かったことは何ですか?


予算を抑えることができたことですね。自分たちも満足のいくマイホームを手に入れることができて良かったと思います。実家は目の前にありますが、棟が違うので互いのプライベートは確保しつつ、”スープの冷めない距離”という雰囲気で程よい距離感の生活空間を手に入れることができました。

自分が生まれた時くらいから建っている建物を残すことができたのも嬉しいですね。農業用倉庫だったものが用途を変えて、今度は人が住んで、また使われていくというのは、この建物も喜んでくれているんじゃないかと思います。物件を安く手に入れるとか、そういう事柄を超越した価値を感じるようになりました。

Q4.家の中でお気に入りの場所はありますか?


リビングからの眺めが最高です。家を取り巻く地元の自然が、この土地があるから帰ってきたわけで、もし別の場所で立派な家を買っても、この場所を超えることはないと思います。この家に初めて来た人は、眺めに驚いてくれます。今となっては当たり前なのかもしれませんが、冬は暖かく、夏は涼しいです。「温熱」環境への満足度が高いです。

元々の梁(はり)を構造的にも残して使っている点も、歴史が積み重なっているようで気に入っています。他にも、自分たちで塗った壁や床材など、自ら手を掛けることで思い入れが深まったところがたくさんあります。

取材協力


■O様家プロフィール
お住まい:村上市
家族構成:夫(36歳・会社員)、妻(35歳・会社員)、長女(3歳)
施工業者:オーガニックスタジオ新潟株式会社

関連記事